読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日々の雑感

忍びの里、伊賀の地より。オーガニックとは? 「本物」はどこに?

有機水耕栽培に思うこと

 

civileats.com

  

「水耕」栽培を「有機」として認めるのかどうか。

それは国際的に重要なテーマになってきているようです。
というか、広く商売上の都合から考えれば、
なし崩し的にOKになっていくような気がします。

...

気候変動にも負けずに、市場に野菜を安定供給していくため、
温度・湿度・光量・CO2濃度といった環境、
植物が吸収する栄養の量やバランスを
きちんと制御していく、「管理強度」の高い栽培技術が
ますます浸透していくのは間違いないです。
それを支えるだけの、栽培技術や管理手法の進化、
人材の育成も確実に進んできています。

「有機」の【規格】が市場に残り続けるためには、
これまでの基準を徐々に緩めていき、部分的には
土じゃなくてもOKとか、遺伝子組み換えでもOKとか、
化成肥料や農薬も場合によってはOKとか、
じりじりと現実に起こっている出来事に
譲歩していかざるを得ないかもしれません。

これは必然的で避けがたい「現象」です。
良い、悪い、という話を超えたところ。
「規格」をつくる、というのは
こういうことを内在的にはらんでいます。

そもそも規格とか認証というしくみは、
これはどんなところで、
誰がどんな風につくったのだろう、
そんなことをいちいち考えることを
しなくて済むようにしてくれます。

それって確かに便利かもしれないけれど、
食材を流通する人、買う人使う人が、
その素材の辿ってきた道について想いをめぐらし、
考えるのをやめるようになるのは避けられません。

巷の日照不足や雨の影響が
今日あなたが口に入れる食事の材料に
どういう影響を与えているか、
なんて余計なことは考えないほうが望ましい。
ってことでしょ?

農薬や化成肥料を使う人の事情なんて考える必要もない。
大事なのは「自分が」おいしくて、
安全安心なものを食べられるかどうか。

それって、つまり、食べるもののなかに
「いのち」を感じないようにするってことじゃない?

言い訳無用、必要なものがあればそれでいい。
僕らが生きている現代というのは、
そのあたりの点においては、
非自然的、非人間的なシステムを推し進めることで
個々の快適さを確保しています。

とはいえ、消費者の要求に応えて安定供給を目指し、
高い技術を獲得することができた者が生き残る、
という仕組み自体は、生物学的な観点から言えば、
ごく自然な淘汰プロセスともいえるかもしれませんね。

さあ、僕らはこの業界でどう生きる?

今、「有機」「オーガニック」の意味を
これまで以上に根底からしっかりと捉える必要が出てきています。
それを単に「モノ」に付随するラベルだと思うと、
全くもって本質を見失ってしまいます。

ただ、この業界(あるいは人のネットワーク)で育んできた
「有機」の意味する範囲は、思う以上に広く、深い。

今のワンクリックで分かりやすく説明してくれる
ものだけを受け入れる風潮のなかでは、
「複雑なもの」が生き残るのはなかなか大変です。

オーガニックを志す生産者は、
その本当の価値を深いレベルまで理解し、
しっかり見定めたうえで、
相手の心を一発で心を射止められるような
シャープな表現を身につけていく必要があるのでしょう。

そのあたりがまあ、僕らの悩みの種なわけで。

けっきょく、オーガニックって何だ?

その答えはもちろん画一的なものではない。
(だから、答えを求めないでよ、そこのお馬鹿ちゃん)

僕なりの今のとらえかたで、
そのエッセンスをざくっと乱暴に言えば…

・人や自然の「つながり」を大切にすること。
 「自分だけ」じゃなくて、「皆」が幸せになってほしい!

・ひとつ上のクラスの「システム」を意識した思考をすること。
 つまり、個とそれを包括する全体とのバランスを絶えず考えること。

多様性の価値を信じること。
 均質で画一的なものより、多様なもののほうが変化に強い。
 最終的に僕らが種として高い生命力を保持できる方法を残すこと。

・上記のようなことを踏まえたうえで、
 持続可能な「暮らし」に根付く
 「食」と「生産」のあり方を模索し続けること。

みなさま。

僕らが買うもの、使うもの、食べるものを選ぶとき、
それは、それをつくる人間、そしてそれを支えるシステムを
選択するに等しいのです。

全ての買い物行動は、選挙と同等、
いや、選挙以上の価値がある。

どんな環境や社会システムのなかで生きたいか、
あなたは日々、投票を繰り返しています。

これからの時代、
どんな社会のなかで、どんな人と、
どんな自然のなかで、どんな生き物たちと、
ともに生きていきたいと思っていますか?

社会や自然のつくられかたは
あなたの一挙手一投足と
切っても切れない関係がある、
ということをどこまで自覚していますか?

息苦しくなるほど、問う必要はないです。
でも、さらっとでいいから、
一度考えてみてください!

模索は続きます。

でも、まぁ何か楽しくなってきた。

 

 

あ、念のために言っておきますが、
有機×水耕の試み自体はすごく面白いと思っています。
こっち方面の技術の進展により

僕らが学べることも沢山ありますよね。
こんなのもあります。参考まで。

有機養液栽培研究会