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日々の雑感

忍びの里、伊賀の地より。オーガニックとは? 「本物」はどこに?

出版のご案内<再>

先般からご案内していますとおり、
私も執筆に関わらせていただいた
【いま日本の「農」を問う】シリーズ4巻、
本日から書店に並びます。

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シリーズ・いま日本の「農」を問う4

  環境と共生する「農」

        ミネルヴァ書房

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・・・
食と農業問題を考える時、
その根底にすえるべきは、
「経済問題」ではなく、まず
「いのちと文化」の問題であると考え直すこと…
・・・

そんなテーマで編集された「農」シリーズですが、
硬い感じで、ボリュームもある、
テーマや著者も雑然としている印象があって、
正直、なかなか手が出しずらいかも…。

インターネットで拾いたい情報が拾える今、
本をじっくり読むという機会は
着実に減っているのではないかでしょうか。

自分にとって必要な情報だけを必要なときに入手する、
そんな時代のなかで、雑誌くらいならともかく、
こういうこってりしたものを詰め合わせるのって、
なかなか挑戦的な試みだと思いますw。

10日ほど前に出来上がった本が届いたので、
自分以外の方の3つの章も読ませていただきました。
こんな縁がなければきっと読むことはなかった内容。
与えられた出会いをひととき楽しみました。

通読してみて、率直なところ、
ごった煮、カオス感はあります。
これはもともと狙ったものなのかもしれません。
論理と効率でさっくり切れる世界に対して、
「文化」や「環境」といった軸を打ち出しているので、
やむを得ないのでしょうが。
まぁ今時の人はちょっと掴みづらいかなぁ。

買ってみようか、と検討して頂いている方向けに
材料提供の意味でショートコメントを。

第1章 環境と農業の新たな可能性(古沢広祐)
――食・農・環境をめぐる世界と日本

生活の基盤を担う農や食のあり方が、
環境や、文化や、社会構造とどんな風に関わり、
歴史的にどう変遷して、これからどこへ向かうのか?
俯瞰する視点から分かりやすく解説してくれています。

便利さ・快適さを求める消費者に呼応して定着した
合理主義・生産至上主義によって生じてきた
様々な「歪み」を紐解きながら、
地球システムと経済システムをどう調和させ、
生命の多様性と循環を保持していくか?を探ります。

さすが、という感じで、幅広い資料を集めてくれていて、
個人的にとても良い刺激になりました。

第2章 渡り鳥と共生する地域づくり(蕪栗沼ふゆみずたんぼプロジェクト)
――宮城県大崎市の場合

冬季湛水を行って田んぼにに渡り鳥を呼ぶ。
地域資源の保護、そこで採れる農産物の加工やブランディング
震災との関わり、葦のバイオマスエネルギーとしての利用
など多様な視点からこの取り組みを支える方たちが
現場目線から丁寧にレポートをしてくれます。

著者の一人、LOHASの大和田さんとは、
太陽光発電の売電収益を地元に還す、という
取り組みについて相談を受けたことがあったので、
思い入れを持って読むことができました。

第4章 自然栽培の意味と意義(河名秀郎)
――ナチュラル・ハーモニーの場合

木村秋則さんのリンゴに代表されるような
無肥料・自然栽培の流れを主導しているグループの
代表的な方が執筆をされています。

「元素転換」の話が堂々と書かれていたり、
こってり理系出身の僕からしてみると
正直、結構「痛い」内容も多いのだけど、
有機・こだわり農産物業界の実態を象徴する、
という意味では分かりやすいかもしれません。

続きの章になっているので、対照的な僕のレポートと
読み比べてもらうのは、ある意味面白いかもしれません。

第3章 未来のために必要なこと(村山邦彦)
    ――伊賀ベジタブルファームの場合

僕の書いた内容は【有機農業】をとりまく状況を
現場で実践を行う観点から、ざっくり下記4つの視点から、
比較的コンパクトにまとめたものです。

   生き様
  ~ ビジネス
   ~ 技術的なこと
    ~ 連携のあり方

これを改めてこの本全体のなかで眺めてみると、
どうしても宙に浮きがちな印象のある本巻のなかでは
日々の現実に碇を下ろすという点で、エッジが効いたものになり、
それなりの役割は果たせているかな、と感じました。
あとは読んで頂く皆さまの判断にお任せします。

伊賀ベジのほうにも少し仕入れておきますので、
お近くの方で購入を検討して頂く方はお声かけください。

 

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