「人生充足」のチェーンを広めよう
僕は今、10年近く続けた農業生産の世界から頭を抜け出させ
物流の世界に首を突っ込んでいっている。
つくること、売ること、その両方が上手にできなければ
業界のなかで生き残っていくことはできないからだ。
新しい世界。
日々が学びの過程。
世の空気感、社会規範とか固定観念にとらわれず、
基本に忠実に、を実践していくのみ。
なによりビジネスとして「ものづくり」をしていくとき、
「よいもの」をつくることができなければ話にならないだろう。
その「よいもの」というのは何だろう?
美味しいとか、かっこいいとか、おしゃれとか、
色々あるのだろうけど、結局のところ、
人を幸せにする力のあるものなのだと思う。
じゃあ幸せってなんだろう?
僕らは農、食を通じて、出来るだけ多くの人に
最大限の幸せを提供できるよう、
コツコツ仕事を積み上げるのみ。
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刺激をもらった記事を中心にうろうろ。
これからの店舗のあり方を考える。
フードマーケティングセミナー「アメリカに見るオーガニック最新事情」
より引用
月刊「商業界」編集長の笹井氏による、顧客の消費志向は「生活必需」と「人生充足」の二極化が進んでいる、というコメントに注目してほしい。
※以下、笹井氏のレジュメより抜粋
■生活必需
価格・利便性は絶対条件。買い物は苦痛でなるべく行きたくない。店主の顔を知らない。他に良い店があれば乗り換える。
■人生充足
価格・利便性以外の価値がある。買い物は楽しい。毎日でも行きたくなる。店主とは顔なじみだ。この店を応援したい。
今後、この顧客の消費志向に対してのニーズをいかに満たすかが重要になってくるだろう。
「どちらでもない中途半端な店は急速に客離れ、売上減少が進む」
(笹井氏)
「中途半端な店」にならない為には、対象とするターゲット顧客の消費志向、求めているニーズを把握して課題を解決したり、こだわりを徹底的に追求していくことが必要だ。専門店であるというだけで、今の品揃えや現状に甘んじているようでは、この先10年後、生き残っていくのは難しくなるかもしれない。オーガニック専門店、オーガニック業界の”これから先10年”のあり方が、今、問われている。
僕がひた走っている道。
人生を賭けて博打をしつづけてる感じ。
見る人から見れば、農業ベンチャービジネスを立ち上げて、
ひと儲けしてやろう、という風に映ってるかもしれない。
見る角度によればそれはその通りだし、別にそれを否定する気もない。
ただ、間違いなく言えるのは、
僕を動かしているのは金じゃない、ということ。
そして、周囲の人に認めてもらうことでもない。
何かすごい欲張りな話だけど、
きっと「世界を創っていきたい」のだと思う。
もっともっと豊かな世界へ。
社会や自然の現状を更新し続けていきたい。
じゃあ、そういう観点から見たとき、
僕が今やっていることはどんな位置づけなのか?
目的を見失わず、いつもシャープな意識を保てているか?
脱サラして農業をはじめようと思った時から
日々畑を耕し、あるいは生産者のネットワーク形成に奔走し、
そうして卸売事業を展開しつつある「今」に至るまで
結果的に自分の「芯」になっているものがある気がする。
そんなに明確に意識し続けているわけではないけれど、
それはきっと、「いのち」の連鎖を見つめていたい、
ミクロ(個)とマクロ(社会)を有機的につないでいきたい、
何だかそんな風なことのように思う。
「こころある道を歩き続けたい」
野菜という「生き物」を育て、その命を奪い、
「食べもの」として町の人たちの口に入るまでのあいだに、
商品となり、食べものとなるなかで、
「いのち」は剥落していっていないか?
そりゃ、つくることも、たべることも、
気付けば「自動化」されて、「処理」になるのは必然の出来事。
だけど「処理」(=無意識)にしていく前段階で、
その行為はどれだけのクオリティを保てていたか?
ベテランの職人芸の農家がサッと手早く準備する野菜のパックと、
一年目のくせにもう油断してだるいなぁと思いながらつくる野菜のパックと、
ひとつひとつの商品を愛しみ、お客さんの気持ちをはかりながら
歩くコースまで想定しながら棚を丁寧に仕立てていく店員と、
マニュアル通りにさっさと終わらせるように商品を並べる店員と、
同じ「自動処理」になっていても、
そこにクオリティの壁は厳然と存在する。
でしょ???
つくる人も、たべる人も、
ちゃんと評価できるだけの目や舌を
養っているか、鍛えつづけているか?
それとも自分の明日のスケジュールのことで頭が一杯???
こうした言葉はそのまま自分にも突き刺さる。
だけど、歩いていきたい。
僕らが目指すのは、「人生充足」を確実に届ける、
そんなチェーンの形成だ。
ウソは不要。時間の無駄だ。
素直にぶっちゃけて、正直で行こう。
生まれてきて本当に良かったなぁ、と思える人生を、
ひとりでも多くの人が得られるように、
僕らは日々の食と暮らしを提案し続けたいんだ。
そうして、そんな行為の中から
自分自身が救われていけばいいなぁ、
そんな風に願っているんだと思う。
さぁ行くよ。