日々の雑感

忍びの里、伊賀の地より。オーガニックとは? 「本物」はどこに?

都市化になんて勝てっこない!?

 

日本では東京だけでなく札幌や福岡などの地方中枢都市に、田舎から人がどんどん移り住んで人口が増え経済や社会インフラの集積が進んでいる。その一方で山間部の農村などでは人口・経済の規模がどんどん縮小している。

このようにアーバナイゼーションとは、首都圏だけではなく地域の中核的な都市への周辺部からの人とそれに紐付く冨の移動の事である。いわば「世界の都会化」だ。これは日本だけではなく、冒頭見たように世界中で、全人類的に起きている。

 

日本で現政権が推進している「地方創生」という政策は私には全くピンとこない。

その理由はまず第一に、日本だけではなく全世界で、この百年かけておきている社会人類学的な大潮流である都市化に対して逆行する事の実現可能性自体が極めて低いと思っているからである。実現可能性が極めて低いプロジェクトの膨大なコストを国民に強制的に負担させる行為だからである。

第二に、私はこの大アーバナイゼーション時代に掲げるべき正しいビジョンはむしろ逆で、田舎を活性化するのではなくて、都市をより強くする事だと思っている。もっと言うと、日本各地の中枢都市の国際競争力を上げる事であり、大阪が深センや香港に負けない事、福岡がマニラやクアラルンプールに負けない事だと思っている。そのような激しい国際競争に対峙しなければならない時に、国が国民に対して「おたくは(競争を諦めて)田舎に引っこみなさい」と言うのは真逆の行為だと思う。

 

新興国と日本の各都市の力が拮抗して互いに人や資産を奪い合う激しい競争時代に対峙するために国がやるべきは、地方の活性化ではなくて、地方分権、この一点しかない

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【ローカル】に生きる今のの自分にとって、
肌身に沁みる指摘ではある。

「都市化」という普遍的な現象を直視せず、
沈みゆく田舎(村落共同体)の生活スタイルを
そのまま保持しようとしてもそれは無理筋というもの。

死に絶えていくコミュニティの様式を正面から見つめ、
未来に向けて僕らが残していくべき「良きもの」は何か、
ギリギリの取捨選択をし、全力でその救済に努める、
それが今のローカルの課題なのではないかと僕は思う。

とはいえ、うっかり一面的に捉え過ぎてはいけない。
可能性として留保しておくべきことが確かにあるから。

世界の資源・エネルギーのピークアウト(枯渇)が
思いの外に早く進行する場合を想定してみれば、
都市を支えるインフラを保持しきれず、
世界中で激しい逆噴射が起こることだってありうるのよ。

その意味で、世界で唯一「地方創生」を叫んでいる
日本というオカシナ国は、もしかしたら、
世界の最先端を行きすぎているのかもしれないし。

世界におけるその変人ぶりを
深い底流のところで支えているのは、
オーガニックな自然観や共同体観であったり、
神仏混淆・アミニズム的な宗教観であったり、
【和のこころ】みたいなふわーっとしたもの。

悪くない。

ここは案外、世界のなかの日本というローカルを
高らかに謳ってしまうって手はあるんじゃない?
オリジナルであるということは決して悪いことではない。
「弱み」として自己卑下するのではなく、
確信犯的に「強み」にしちゃえばいいんだ。

ジャンキーを飼い続ける効果しかない
くだらない補助金なんぞはとっととやめて、
自立互助の精神で、現実を見誤ることなく、
ローカルが回り続けるためのインフラを
リノベーションしていけばいい。

あわてず。速やかに。