日々の雑感

忍びの里、伊賀の地より。オーガニックとは? 「本物」はどこに?

松岡正剛の千夜千冊 | 1610夜「肥満と飢餓」ラジ・パテル を読んで考えたこと。

1610夜『肥満と飢餓』ラジ・パテル|松岡正剛の千夜千冊

を読んでの感想。

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僕らの食を支える社会構造はこれからどうなるか?
世界の趨勢を俯瞰しながら、改めて、
今の僕らが真に必要としているもの・ことを見定め、
皆で知恵を出し合って、暮らしのニーズに応える
こころある社会システムを創っていくしかない。
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TPP を推し進める背景にある歴史。
GATT、WTOといった枠組を通じてもたらされた
世界の食産業による支配構造があり、
それを維持するための政治手法がある。
かじり聞きの上っ面の知識で闇雲に批判するよりも、
そこにどんな力学が働いているかを丁寧に精緻に理解したい。
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僕らの日々のいのちは「たべる」によって支えられている。
そしてこの「たべる」という行為そのものが、
いのちの連鎖であることを皆が感得できるならば、
世界の不幸の多くは消えていくのではないか、
最近はそんな風に思っている。
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社会に生きる一人一人が、いのち(食材)を育み、
運び届け、調理をし、感謝していただく。
かつてはいのちだった「生ゴミ」と呼ばれる存在をも
やはり「いのち」としてきちんと大地に還す。
むろん、この円環を影からそっと支える人達もまた
優しく円環のなかに包まれていくのだ。
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ひとりひとりが幸せになるために。
「いのち」の円環を創り上げることこそが
これからの時代の「産業」=「いのちを表出するわざ」
となっていくべきではないだろうか?
そうすれば、自ずと今、自分が為すべきことが
見えてくるのではないだろうか?