伊有協事務局退任のごあいさつ
昨日、伊賀有機農業推進協議会(伊有協)の
定期総会が開催され、3年間に渡って務めた
事務局の任を解いていただくことになりました。
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伊有協はこの地域の有機農業の推進に取り組む
生産者や消費者、流通、教育、医療、行政など
多様な方面の方が連携することで、
人と人、人と自然の<つながり>に価値の中心を置く、
こころ通うまち「オーガニックタウン伊賀」
を創りあげるための集まりです。
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2010年設立から6年に渡って活動を続け、
視察や勉強会を行って生産技術の向上を狙った他、
地域内の様々なつながり醸成、
オーガニックフェスタの開催、
新たな流通チャンネル開拓(㈱へんこ設立)、
就農者・移住者らのサポートなど、
様々な活動を展開してきました。
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私自身、設立当時は零細個人農家でしたが、
様々なプロジェクトの企画運営に関るようになり、
ここ3年間は生産法人・伊賀ベジが事務局を引き受け、
活動のエネルギーを維持すべく、走り続けました。
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そうして、伊有協で得られた連携のエネルギーを
ビジネスのなかでも生かせるようにするため、
会員らが出資して地域商社 ㈱へんこ を設立。
地域の有機農業者の農産物や圃場の状況を取りまとめ、
小売業者や飲食店、卸売業者らに情報とモノとをつなぐ、
産地の営業・物流機能を担うベンチャーです。
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私自身、この企みの言い出しっぺ~指令塔となって、
右も左もわからないなかで、手探りで進めてきましたが、
地方の農業現場を支えるための流通の仕組みづくりは
想像していた以上にハードで困難なものでした。
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生産との二足の草鞋で経営を進めるのも大変で、
スタートから1年半ほどで体を壊し(喘息悪化)、
自分の手でできると思っていたことの多くができなくなり、
公私に渡って大きな混乱を招くに至ってしまいました。
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以来、長く、そして深い、学びの期間を続けてきたのです。
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トップダウンで力づくに進めるのではなく、
人に託し、委ね、己の「こころ」を伝えることで、
組織という生命体(生態系)の動きを制御する方法とは?
失敗を重ねながら、そんな経営の在り方を模索しています。
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元々あったはずの見通しや自負などは
全てどろどろに溶け、そのどろどろの中から、
ようやく新しい「かたち」がぼんやり見えてきた気がします。
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この感覚は、きっと、今の会社経営にとどまらず、
同じ思いを持つ世界各地の仲間たちと、
来るべき時代を描きながら、世界を豊かにするための
様々なプロジェクトを動かしていくために
どうしても必要な要素のような気がしてなりません。
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伊有協の活動を通じて、数多くのよき人と出会い、
互いを高め合う活動を続けてきたことは、
未来へのヴィジョンを描くための重要な礎となりました。
多様ないのちが鎬を削りながらも寄り添って生きる社会、
そんなイメージを描くための拠り所になったのです。
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未来の影を追って、こうして一歩一歩を歩んだことは、
この地に巣食う、ずらりと揃った個性派たちが、
統合の軸を得ることで、ゆるやかに連携し、
互いに相乗効果を得られたという点で、
十分な役割を果たせたのではないかと思います。
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ただ、私自身、そろそろ次のステージに行くべき時だ、
そんな促しを強く受けているようにも思うのです。
「身体を壊したから事務局を辞めます」というのは
ちょうどよい言い訳にはなりましたが(ゴメンナサイ)、
そこにあまり力点を置くと本質を見失ってしまうかも。
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病はきっと、与えられるべくして与えられたもの。
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生き方、暮らし方、考え方を変えていく。
対症療法ではなく、抜本対策をとろう。
存在の変革。
ゆっくり、ゆっくりではあるけれど、
今、こうして前を向いて歩いています。
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不定形で、混沌とした、
暗闇のなかへ一歩を進めること。
光はそうして闇を切り裂いた先にしかない。
問答無用。ルールはつくるもの。
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がちがちに固まった、安定な世界に住み、
力に頼り、力を振り回し続ける、
そんな老害たちとお付き合いするのはもう沢山。
だって、つまらない、つまらない。
もう、若いエネルギーに賭けりゃいいじゃないか。
私自身、もうさっさと後継に道を譲りたいんだから。
年寄を道連れに、ぶっ飛ぶことが僕らの世代の仕事か!?
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おっさん、おっさん、さっさとそこどきな。
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いやはや、いつのまにか、事務局なんて仕事は、
もう性に合わなくなってしまったんだろうな。
皆に平等に、フェアに対応するなんていう、
お役所的なことが、今の私にできるはずもなし。
そんなことをすればただ苦しくなるばかりで。
お役所の人たち、お疲れさま。そして、ご愁傷さま。
でもそれって自分で選んでるんやもんね。
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今はただ、
正直に、正直に生きたい。
好きなものは好き。嫌いなものは嫌い。
それでいいじゃないか。
嘘で塗り固めた生き物が近づいてくると
しんどくなってしょーがない。
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あーあ、言っちゃった。
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いや、ね、これからまだまだ大変なんですよ。
でも、本気の仲間たちがいる。だから大丈夫。
今ある足元(ローカル)をしっかり固めて。
これからのフィールドは世界にあるよ。
きっと、ね。
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さぁ、鎖を引きちぎって、
がれきの山など踏み越えて、
前へ、進め。