問答会
学びのための新たな取り組み
「伊賀た組」
第一回目を開催しました。
参加者一人ひとりが抱える「問い」を発してもらい、
それぞれがその「問い」への自分なりの答えを提示、
その「問い-答え」を皆で繰り返しほじくりながら
物事の理解を深めていく「問答会」
初回は堆肥製造を話題にしました。
そこで扱ったテーマをざっと挙げれば、
窒素の有機~無機(アンモニア・硝酸)の動態変化、
発酵過程とは?炭素窒素比(CN比)変化の要因、
酸化還元環境と窒素の気化過程との関わり
phとは何か、phと酸化還元雰囲気との関係、
発酵過程の反応熱による発熱現象と熱流体の動き、
エアレーションによる温度や窒素濃度の制御方法、
この地域で求められる堆肥の「品質」とは何か
長期で効果を発揮するのか、即効性か、などなど。
かなり深いテーマまで食い込みましたが
難しい学術用語を極力使わず、問い―答えを
繰り返すことで「リアルタイム感」を生み、
学びの効率を向上できたのではないかと思います。
「教えて人間」はいらない。
「道場」は情報収集の場でなく、そのきっかけを与える場。
「自ら学びたい」意欲をどうやって高めるか、
そこに集中して今後も進めていきたいと思います。
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(た組の背景についての雑感)
僕は、様々な事業の成否を決める要素は
それを動かす「人」の質だと思っています。
なかでも今、この「質」として重視したい資質は
OODA(ウーダ)サイクルを回す能力です。
・Observation 常にアンテナを張って情報収集する「観察力」
・Orientation 情報を統合整理して意味付けを与える「分析力」
・Decision 進むべき方向を明確にするリーダーシップ「決断力」
・Action 決めたらスピーディに行動に移せる「行動力」
例えば「業務改善」というテーマなら、
自分達が抱えている課題、問題に【気づき】、
何故その課題が起こっているか、問題の構造を【可視化】し、
それに対応する方法を検討したうえで進む道を【決定】し、
すぐに担当者とスケジュールを立てて【実行】していく、
そういう流れ(ループ)をつくり出せる人材なのかどうか。
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農業のように刻一刻と様相を変える自然現象を相手に
安定的にOUTPUTを出す(商品供給をする)ためには、
自ら状況判断し、意思決定し、すぐに行動に移せる、
自律分散業務に対応できる人材が求められます。
今の混沌とした時代情勢のなか、
「お上」がトップダウンで指示をしていくのでは
判断も決定も追いつかず、後手後手に回るケースが増え、
戦略的に生き残りが難しくなってきているようです。
根っこの部分から自分の頭で考え、自分で決め、自分が動く。
そういう自立した人間こそが、これからの時代に
求められる人物像になっているのではないでしょうか?
その意味で、さほどお金になるわけでもないのに、
生命を相手にする「農業」という世界で
しぶとく生き残り続ける連中には見どころありますよ。
何せ、一番古い「産業」でもある訳だしね。
イノベーションは、きっと、ここから始まる。
「学びの方法論を学ぶ」ということが
今後、ひとつの時代のトレンドになればいいなぁ。