日々の雑感

忍びの里、伊賀の地より。オーガニックとは? 「本物」はどこに?

スローフード@ミラノ万博

「地球に食料を、生命にエネルギーを」

今、イタリア・ミラノでは、史上初、
「食」をテーマにした万博が開催されています。

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この万博のなかでもひときわ目を引くのが、
会場の東端に陣取る【スローフード】エリア。

食や農に関わる生物や文化の「多様性」を重視し、
生活や暮らしの知恵や習慣を丁寧に拾い上げる、
イタリア発祥のスローフードのコンセプトに基づいた
展示や映画上映、試食などを行っています。

http://www.slowfood.com/expo2015/en/

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テレビ東京系の報道番組、ワールドビジネスサテライトで
こうしたスローフードの動きが紹介されました。

案内役は現地でスローフードの普及活動に取り組む
GEN社の齊藤由佳子さんです。

ご縁があって、春にGEN社の企画した
三重県各地の食文化を訪ねるツアーの一部に
関わらせていただいたのですが、
そうした世界の動きを垣間見ることで
大変多くの気づきを与えてもらいました。

日本の農業の未来、とか、「有機農業」を推進、とか、
そういうのは結局、業界の生き残りという、
エゴイスティックな側面が前に出てしまうものだし、
結局は多くの人の共感を得ることはできないでしょう。

「オーガニック」というライフスタイルは
「スローフード」のテーマとも全く通底して、
人のいのちを支える食の営み、
それを支える自然風土、人の文化や知恵、
そんな総合的な基盤を問題にしているのです。

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僕自身は今、農作業からもすっかり離れてしまっているし、
お金と言葉に追われる日々の仕事のなかで、
「ちゃんとした」食と暮らしを守れているかといえば、
これはもう、非常に心もとない限りなのですね。
(如何せん「貧乏暇なし」になってしまっていて…w。)

ただ、大切にすべきものを大切にするためにも、
今、㈱へんこを通じて僕らが取り組んでいる、
中小規模の生産者や流通業者が生き残るための
流通や生産の基盤システムの再構築、
これは必須だと感じています。

一方で優れた文化や知恵に対する感性を磨きつつ、
一方で時代を切り裂いていけるだけの
科学や政治や情報のテクノロジー・リテラシーを身につける、
高レベルでの両立を目指していきたいものです。

両極のバランスをとるのはなかなか難しいですね。
あっちへ行き、こっちへ行き、
そうして両端の人をつないでいくのが
今の僕の仕事だと思っていますので。

僕自身も以前に海外(北米)に住んでいて
学校に行ったり、仕事をしていたことがありますが、
こうした社会と個のバランス感覚に関して言えば、
日本人のもつポテンシャルって、
すご~く高い気がするんです。
だからこそ、世界に対して日本人が与えていけること
まだまだ沢山あるはず。

謙虚に、奢らず、相手からも学び続けながら、
いつでも惜しみなく与えられるよう、
修養を怠らないようにしていきたいものです。

齊藤さんの素晴らしい取り組みにエールを送ります。

 

www.tv-tokyo.co.jp