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日々の雑感

忍びの里、伊賀の地より。オーガニックとは? 「本物」はどこに?

フードロス(食品廃棄)の痛みを誰が負担するか

「コンビニ店長の残酷日記」の読書感想が流れてきました。

 コンビニは、スーパーなどに比べて、高い価格で売っていて、

流行っていればかなり売り上げもありそうですから、

けっこう儲かりそうなものですが、実際は

「本部へのフランチャイズ料」を引かれると、

そんなに手元には残らないようになっています。

 

本部でまとめて仕入れが行われ、

店の側では「発注」をかけるだけ

(とはいえ、大まかなところは本部に決められていて、

現場の裁量はそんなに大きくない)なのですが、

「仕入れの原価が、近所の『ドン・キホーテ』での

小売価格よりも高い商品がある」そうです。そして、

そのフランチャイズ料の計算方法が特殊であることを、

著者は「告発」しているのです。

 

この新書のなかで、著者は「原価100円、売価150円の

イクラのおにぎりを1000個仕入れ、

そのうちの700個が売れ、300個廃棄した場合」

について説明しています。

 

一般の会計では、売り上げは

150×700で10万5000円

ここから、売上原価の

100×1000の10万円

を引いた5000円が粗利となります。

 

7割売れて、なんとかちょっと儲かる、

というくらいなんですね。

(ただし、これはあくまでも例えなので、実際の

コンビニの原価や売価と同じ数字ではないようです)

(以下、引用文内の引用)-----------------------------

 

ところがコンビニ会計では、売上高から差し引くのは

売上原価ではなく純売上原価(廃棄ロスを含まない)であるため、

10万5000円ー7万円(100円×700個)=3万5000円

が見かけ上の粗利となる。

 

特殊な会計によって粗利が見かけ上7倍に膨らむ結果、

ロイヤリティ=本部の取り分も7倍になる。

ロイヤリティの率が70%の場合、一般会計では

5000円×70%=3500円だったのが、

コンビニ会計では3万5000円×70%=2万4500円となるのだ

(なお、これは一例であって、必ず本部の取り分が

7割になるわけではない)。

 

実際の(一般会計で算出した)粗利が5000円しかないのに

2万4500円もロイヤリティを払わなければならないのだから、

加盟店にとっては、この時点でイクラおにぎりは大赤字が

確定的になるというわけだ。

 

特殊な会計によって粗利を見かけ上膨らませる手法は、

小売業で必然的に発生するロスを粗利計算から排除することによって、

加盟店から本部への所得移転をもたらしている。

 

「日商を上げても本部だけが儲かり、

加盟店には利益が残らないようになっている」、

つまり本部にとって「うまくできている」と

友人の税理士が教えてくれたのは、この「カラクリ」だった。

これを聞かされたときは、ほんとうに驚いた。

 

(以上引用)----------------------------- 

会計には疎いのですが、これを読んで唖然としてしまいました。 

食品などは「廃棄ロス」があるのが当然のはずなのに 

「売上原価」を「純売上原価」にするだけで、 

実質は大赤字でも、本部に多額のロイヤリティを

払わなければならなくなるのです。

 

コンビニで「消費期限が近づいてきた弁当などの

食品を値引き販売したい」とオーナーが訴えているのは、 

値引きしてでも売ってしまえば、

「売上がアップするだけではなく、値引きしてでも

売れた商品は『純売上原価』に含むことができる」

という二重のメリットがあるからなんですね。

 

本部側が値引き販売を認めたがらないのは、

ブランドイメージだけではなく、それを認めると、

「商品が売れても、本部へのロイヤリティが減る」

可能性が高いから、でもあるのです。

 

blogos.com

 

色々考えさせられますね。

 

商売をやっていると、仕入れたものを

全部売れるということはあまりないわけで。

とくに食品のように消費期限があるものには、

一定割合で必ず廃棄が発生します。

 

コンビニは地域、地域に根差して

あれだけ豊富な品数を揃えられていますが、

それはつまり、廃棄率を上手に制御することで

うまく回っていると言えるわけですね。

 

POSシステム を上手に使って廃棄を出さないよう

上手に仕入れを行うことが基本ですが、

コンビニ店主が廃棄食品を食べて

生活費を少しでも軽くすること、等も、

本社サイドからは要求されるようですね。

 

商売上で実はとても大切なのは、

この廃棄損をだれが負担するか、ということ。

結論から言うと、多くの場合

これは 立場の弱い人が負担することになりがちです。

 

実際にはそれが「結果的に」(自然に)起こるように

仕組がうまく考えられているので、

何かモヤモヤっとよくわからない、

というままウヤムヤになっちゃう人が多いでしょうが。

 

コンビニの場合、ロスを仕入に算入しないかたちで、

粗利(売上―仕入)に上前(ロイヤリティ・販売手数料)

のパーセンテージを掛ける手法が 取られているみたい。

会計上はロスをきちんと経費として計上したうえで

課すべきものであるのでしょうけどね。

 

日本人は長いモノには巻かれろ~、の傾向強いですからね。

フランチャイズ元本体、あるいはコンビニ業界全体に

逆らってまでどうにかしようという声は

なかなか出てきにくいのでしょう。

しかもこの現象自体、僕も含めて、

ひとりひとりの日本人が便利さを求める、

その結果でもあるわけで。

 

でもこういうことを続けちゃうと

長く続かないんじゃないかなぁ?

オーナー経営者のせっかくの意欲や善意が

どんどん摩耗していってしまう気がするし・・・。

 

-------

 

翻って農業の世界。

 

地域の農産物を新鮮に買えることで人気の

【直売所】とか【地元コーナー】の話。

 

ここでは、ほとんどの場合、

生産者側が廃棄ロスを負担します。

つまり、売れなかったら生産者で持ち帰ること。

持ち帰れないなら代わりに捨てておくよ~、となる。

 

青果コーナーの通常品の野菜については、

スーパーが市場とかで仕入れてくるので、

店側も廃棄が出ないように必死で売ります。

どこでどんなふうに見切り販売するかもテクニックのうち。

仕入れの価格や量については無論常にシビアな目で見てます。

 

だけど、直売コーナーについていえば、

そこらへんはずっとゆるーいのです。

場所代として「売上」の15%とか20%とか

とるようになっていて、廃棄商品は生産者が持って帰る。

生産者がリスク背負ってくれるわけですから、

胴元はゆったり構えていられますよね。

 

この手のローカルマルシェっぽいコーナーについては、

地元の多様な品を並べることができる、とか、

店に生産者が出入りして勉強するので商品レベルが上がる、とか、

よいことは沢山あるのです。

 

ただ、店舗側や帳合(仕入商社)が汗かきすることなく、

ショバ代を取るような仕組は、システムの発展にとって

あまり良い影響を与えない面もあるなぁ、と感じていました。

 

そこで、「へんこ」が運営しているコーナーは

このあたりの問題に切り込んでみる、

というかちょっと引っかきまわしてみる、

そんな取組みになっています。

 

僕らは地域生産者から野菜を「買いとり」で仕入れ、

スーパーの地元野菜コーナーに並べます。

スーパー側はレジを通った分だけを仕入れます。

(いわゆる「委託販売」方式)。

要するに、直売所に並べる生産者の作業代行という感じです。

 

実際にはロスはそれなりの割合で出るわけです。

そこにあって、仕入は買取、販売は売れたなりの委託、

という無理なことをしているわけですから、

痛み(ロス)をしっかり減らす、という課題は

経営的に僕らにまっすぐ突き刺さってくるのです。

 

だからロスが出てしまう構造と向き合って、

ひとつひとつの課題を超えていくことが求められます。

コーナー運営を任せてもらえればもらえるほど、

プレッシャーの大部分はうちらに掛かってくる・・・。

わざわざ自分で首絞めてる感じに違いありません。

 

【リスクは最大】

 

でも学びの場としては【最高】

 

・売れる棚のラインアップをどうつくるか

・信用できる魅力的な仕入先(生産者)をどう選んでいくか

・ロスを減らすオペレーション

・納品タイミング、在庫管理方法、並べ方

・デリバリー/地域内の集荷~共同運びあいの仕組み

・鮮度管理の方法、冷蔵ケースの活用。

・そもそも売れ筋野菜を分析して、その情報を

  生産者の作付にフィードバックして畑を変えていく。

・ロス野菜の社食での利用、パートさんやらへあげる、等など。

・ファンをどうつくっていけるか

  =どんな人たちと付き合いたいか?

   ついでに子育ての問題とかもからめちゃう?

 

いろいろあり過ぎて、結果的に解決は

ゆっくりしか進んでいないけれど、

学び続け、何とか向き合い続けてますよ~。

 

それがやがて誰にも負けない僕らの力になるハズ。

こんなクレイジーな取組み、

応援してくれる人がいれば、

いつでも歓迎ですよ~。

 

ということで、

皆さま、今後ともどうぞよろしくお願いします。